脳卒中後のリハビリ
リハビリといえば何を思いうかべるでしょうか?
- 骨折後の拘縮
- 寝たきりの方の拘縮
- 脳卒中後の拘縮
今回は3の脳卒中後の拘縮あるいは片麻痺の方のリハビリに焦点を当てたいと思います。
右肩、右股関節が痛い
脳卒中後の片麻痺のリハビリといえば病院やあるいは自費で1ヶ月何十万という費用で行うというイメージがあります。
また麻痺している片側は動かないという固定概念があると思います。
ある日くまさんの整骨院のラインにお問い合わせがありました。
「脳出血で片麻痺なのですが、右股関節と右肩が痛いのですが施術してもらえますか?」
ご来院頂きましてお話を伺い体をみさせて頂きました。
聞けば症状固定だそうです。
見た瞬間に「股関節はまだいいけど、肩は難しそうだし時間かかりそうだなぁー」
なにがダメかというと完全に右に傾いています。
右に傾くという事は右の大腰筋は短縮し肩は内側に引っ張られています。
オレンジが短縮したお腹の筋肉です。右肩は中に入って手は挙げると痛くなります。
右の股関節も内側に引っ張られます。無理やり右に傾いて分回してがに股で歩くので右肩はどんどん前に引っ張られます。
これが右肩の痛みを治すのが難しい原因です。
麻痺を動かす為のリハビリ
当院はリハビリはやっていないですし、リハビリは専門のプロの理学療法士が行うものです。しかし自分も歩けなくなったのを自分で治したというプロ根性があります。しかも後縦靭帯骨化症と黄色靭帯骨化症というありがたい難病まで頂いています。
まずは曲がっている指を奥さんに協力してもらい捻って戻してもらいました。やり方は全部当院でお伝えしました。今では指の捻れは少なくなっています。
目標設定
自分の経験から逃げ道も作っておきたいんで「治るとはいえないですが、3年頑張れば今より良くなります」とお伝えして2人で3年後麻痺側で「ビールで乾杯」という目標をたてました。しばらくしてから「日本ダービーで開門ダッシュ」という目標もご自分で作っていました。
痛みと苦労の連続
指を伸ばせば痛いし、手首を動かせば痛いし、肘を伸ばしても痛いし、肩を回しても痛いし、ストレッチをしても痛い。自分は経験しているので言えます。「治ってくるときには痛みは伴います。」
自分の時にわかりましたが好き勝手体をつかっている自分が悪い。だから難病も診断されたし、足も動かなくなった。ぐちゃぐちゃの走行になっている筋肉を戻すのに痛みは絶対に伴う。
使い方が隔たるので使われる筋肉は緊張しすぎるし、使われない麻痺の方の筋肉は弱化し固まります。
どちらもストレッチをすると痛いですが、麻痺側のがより痛いです。
ただし体はやればやった分だけ効果はでます。
少しずつ自分で動かせるようになってきました。
脱力、あきらめない
ある時歩行をみて思いました。動かない手がなんで曲がって歩いてるだ?
しかも肩に力が入っているじゃん。
ここからはテーマは脱力です。
力を抜く、脳から指令がいくようにする。
3年後のビールで乾杯の為にあきらめない。
リハビリ方針
分回し歩行はなるべくご自分で意識してがに股にいかないようにしてもらって右手中心で施術を行っていきます。右肘はかなり曲がるようになってきました。指は小指や薬指は曲がらない、伸ばせません。肩は前に上がらないが、横と後ろは動きます。いずれも最小の力でやるようにしてもらっています。
麻痺側で行ってます。
朝歯磨きチャレンジしました。と動画を頂きました。
9月28日に初めてご来院頂いて動画頂いたのは11月15日です。
安定して出来るわけではありません。たまたま調子が良かっただけかもしれません。でも本人があきらめていたら動かそうとも思わないので動きません。
右側を動かさないと左脳に刺激はいかないので右脳だけで頑張る事になります。
気持ちは伝わる
自分は1ミリも麻痺側がこのまま動かないままと思った事はありません。
絶対に今より良くなると確信してます。
ご本人の希望通りじゃないかもしれません。
3年で体は必ず変わると約束しました。
自分があきらめることはありません。
少しでも回復させるために全力を尽くします。
「これでいいのかな?果たして体はよくなるのか?」自分が毎日不安だった日々を忘れた事はありません。
今、目の前の方が抱いている不安はよくわかります。
少しでも成果がでるように「こんなの効くの?この人頭大丈夫?」と思われるような事も伝えてます。全部自分で経験しています。
自分で変化がわかる
最初より肩はあがるようになり。股間施の痛みはあまり感じなくなり。
なにより少しずつ体が変わっている実感があるそうです。
まだ2ヶ月半ですが沢山痙攣したり、脳が痛くなったり、ストレッチが凄い痛かったりと不安になったと思います。
全て自分が経験していますので良い事ですよ。と言えます。
先日同じように右麻痺の方がバスに乗ってきました。かなり分回しで歩行していて右手に力が入ってました。
「そんなに力いれてたら良くなりませんよ」と思いました。同時に自分がリハビリしているこの患者様の歩行はだいぶ分回しじゃなくなっているなぁーと実感しました。
上半身の力み具合も全然違います。
今ではどの症状でも脱力は大事だと実感しています。
腰が痛ければ、腰に力が入って動かすし、肩が痛ければ、手を挙げるときに力が入るから余計に痛いし、脱力は大事です。
目標は「3年後のビールで乾杯」
「日本ダービーで開門ダッシュ」
長文ありがとうございました。
体の事でお困りの方はくまさんの整骨院にご相談ください。